何かを写すということ
カメラって、見ている世界を他者と共有できる唯一の機器だと思います。
世界の見え方は人によって違う。物の考え方、五感の使い方、そういうものも落とし込まれて、写真に写っている。
他者の考えとか思いとか、自分の持たないものを持っている人にとても興味があって、だからカメラが好きなのかもしれないなと思います。
「旅行とか行くからその時撮る程度でしょ？」とこの間友人に言われて、「旅行の写真とかしか送ったり載せたりしてないからだよ」と答えました。たしかに、全ての写真を見せているわけではないから、私の物の見え方なども一部しか伝わらないってことですね。
撮った写真は、自分の一部。他者を撮った写真でも、それは自分の網膜に映って自分の思考に沿って決めた方法で撮影した映像。
自分が産み落とした作品を、見てほしい気持ちもあります。でもやっぱりなんだか恥ずかしい。だから、写真用の公開アカウントを作ってやってます。知らない人、でも趣味を同じくする人ならあまり気恥ずかしさもない。他人の写真も見て、感化されたり。開いているようで閉じた世界ですが、思う存分、余計な忖度することもなく、好きな写真を好きなように撮って好きに見せ合いっこして好きな写真をまた見つけることができて、自由な空間です。楽しい。
「うまい写真が撮りたい」と、カメラを暫くやっていると思ったりもしますが、うまい写真が撮りたくてカメラやってんじゃない。目前のもの、撮りたいと思ったものを、その一瞬、只今現在を切り取りたいからやってるわけです。
昔言われていたような、写真に写されると魂抜かれるというのも、気持ちはわからんでもない。被写体の魂を一瞬だけ、拝借しているようなもんです。でも、被写体が物であれ人であれ動物であれ、そういう写真が撮れた時は自分でも満足。笑
一瞬を切り取るという目的からいえば、正直スマホのカメラでもいいわけです。ただ、より綺麗に色々なものを撮りたいからお金かけているだけです。（後半3枚はiPhone6で撮影）
センスあるなぁと思う人はたくさんいます。いいな〜とは思うけど、自分は自分なりに撮りたいものを撮り続けていきたいなと思います。
